快適歩行
人工関節・脊椎ブログ 第128回
128回目のブログ投稿です!
128は、いちにっぱ。
昔、電車の切符の下に載ってる4桁の数字を合計して10にすることを楽しんでいた
世田谷人工関節・脊椎クリニックの院長の塗山正宏です。
今回のテーマは、
人工股関節置換術と神経麻痺です。
前回のブログ
https://www.setagaya-joint.clinic/blog/人工股関節置換術と神経障害/
で触れましたが、
人工股関節置換術の合併症のひとつに
神経麻痺があります。
手術方法によって損傷を受けやすい神経が変わります。
後方アプローチの場合は
坐骨神経を損傷する可能性が高くなります。
前方アプローチの場合は
大腿神経を損傷する可能性が高くなります。
ただ後方アプローチでも大腿神経を損傷したり
反対に前方アプローチでも坐骨神経を損傷する場合があります。
それぞれ
坐骨神経麻痺
大腿神経麻痺と言います。
実は神経によって回復のしやすさが変わります。
坐骨神経麻痺に比べて大腿神経麻痺は回復が早い傾向にあります。
大腿神経麻痺は回復傾向が早く、
関節の機能障害があまり残りませんが
坐骨神経麻痺は回復に時間がかかり
関節の機能障害が残ってしまうことがあります。
ちなみに末梢神経障害にはSeddon分類というものがあり
| Seddon分類
1)一過性神経伝導障害(neurapraxia) 軸索の断裂を伴わない一過性の伝導障害であり、 原則として数日から数週間,通常 12 週間以内に完全回復する. 肉眼的には正常なことが多く、損傷部位では伝導障害を認める.
2)軸索断裂(axonotmesis) 軸索は断裂しているが、Schwann 管および周膜の連続性は保たれている。 軸索はワーラー変性をきたし、Tinel 徴候が出現するが、 内膜は損傷されていないため再生軸索は元の効果器に到達する。 1 週後より 0.5 ~ 2 mm/日の速度で Tinel 徴候が遠位に進行すれば順調な再生と考えられる.
3)神経断裂(neurotmesis) 軸索,神経上膜が断裂し肉眼的に連続性が無いか、 あっても瘢痕により軸索の連続性が失われている。 自然回復は期待できず神経縫合術の適応であるが、 ある程度の神経過誤支配は不可避である.
Seddon HJ : A classifi cation of nerve injuries, Br Med J1942 ; 2 : 237.239 |
実際にどれくらい神経が損傷されたかによって
神経の損傷具合によって回復度合いが変わります。
損傷の程度が強ければ回復の見込みが薄くなるわけです。
恐ろしいですよね・・・。
「あ~、パンツはくの忘れてた・・・」
ゆでたまごが好きな
世田谷人工関節・脊椎クリニックの院長の塗山正宏でした。
世田谷人工関節・脊椎クリニック
整形外科・放射線診断科
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