当院では、頚部や肩、腰の痛み、手足のしびれで困っておられる方、また姿勢保持や歩行に困難を感じておられる方、これまで他の医療機関で治療しているが良くならない方を、診察させていただきます(紹介状はお持ちでなくても結構です)。院内ではX線撮影のほかに、MRI、CT、トモシンセシスによる精度の高い診断を行うことが可能です。
ただし、初診の患者さんはご予約ができないため、診察までお待ちいただく可能性がありますことをご了承ください。
診療概要
脊椎由来の神経痛やしびれに対して、内服治療やブロック治療などの保存療法を充分に行っても症状が改善しない方に、手術治療を検討しております。
当院医師による脊椎手術は、経皮的内視鏡下手術からインプラント手術まで、最新イメージング技術と医療機器を用いて、患者さんにとって安全で身体の負担が少ない手術を心がけております。また、術後は厳重な疼痛管理と1人1人に合わせたリハビリテーションを積極的に行っております。
当クリニックで対応困難な術式や、内科的合併症などの厳重な周術期管理を必要とする場合は、東京慈恵会医科大学附属病院 脊椎・脊髄センター(港区)や慈恵医大第三病院(狛江市)等の専門医療機関にご紹介させていただきます。
メディア掲載
- 2022/8/23 脊椎脊髄外科専門医 篠原先生が日経新聞に取材されました。
コロナ禍で「肩こり」の損失コスト増 病欠よりも深刻
*リンク先は有料記事になりますが会員登録をしていただくことで月10本まで無料で閲覧ができます。
取り扱う代表的疾患
頚椎症性脊髄症
どんな病気?
首の神経が周囲の構造物によって圧迫される病気です。
どんな症状?
手足のしびれや指が使いづらくなったり、歩きづらくなったりします。ひどい場合にはおしっこや便が出づらくなったり、失禁してしまったりすることもあります。
どんな治療?
ほっておくと症状が進行することがあるので手術が望まれます。
腰部脊柱管狭窄症
どんな病気?
腰の神経が周囲の構造物によって圧迫される病気です。
どんな症状?
腰痛や足の痛み、しびれなどが生じます。 長距 離歩くことが困難となり、休み休み歩くことになります。ひどい場合はおしっこや便が出づらくなったり、失禁してしまったりすることもあります。
どんな治療?
薬の内服や、ブロック注射などを行います。重症例や保存治療が効かない場合は手術を検討します。当院では全内視鏡下脊椎手術を導入しております。
詳しくは外来でご相談ください。
当院で行う代表的な脊椎手術
- 全内視鏡下脊椎手術(Full-Endoscopic Spine Surgery)
- BKP(Balloon Kyphoplasty):経皮的椎体形成術
- 最小侵襲腰椎後方椎体間固定術(MIS-TLIF)
- 最小侵襲後方多椎間固定術(MIS-Long Fixation)
- 側方進入脊椎手術(Lateral Access Surgery)
- 側方腰椎椎体間固定術(Lateral Lumbar Interbody Fusion: LLIF)
- 最小侵襲側方椎体置換術(MIS-Lateral Corpectomy)
- 椎弓形成術
- 椎弓切除術
- 前方固定術
- 脊柱側弯矯正固定術
- 脊髄刺激療法(SCS: Spinal Cord Stimulation)
全内視鏡下脊椎手術(Full-Endoscopic Spine Surgery)
専用の内視鏡を使用して、ヘルニアの摘出や椎弓切除などを行います。従来法では皮膚の傷は50㎜程度で、骨を削ったり、筋肉を一部剥離したりする必要があります。一方、内視鏡では傷は7~8mm程度で済みますし、筋肉や骨もほとんど傷つけないため、従来法と比べて体への負担がとても少ないです。手術時間は症例にもよりますが、30分~1時間程度です。手術後の痛みも軽く、術後3時間から歩行が可能となり、術後3日ほどで退院ができます。早期の社会復帰が可能であり、忙しい社会人の方でも安心して手術を受けられます。
また、当院では内視鏡のディスプレイとして、最新の高解像度/高輝度4Kフルハイビジョンパネルを採用しており、明るく繊細な映像で行うことにより、手術の安全性を高めています。
※症例によっては適応が困難な場合もあります。詳しくは外来でご相談ください
BKP(Balloon Kyphoplasty):経皮的椎体形成術
骨粗鬆症などによって背骨が押しつぶされるように変形してしまう圧迫骨折は、保存的に治療することが多いのですが、痛みが続く場合などには、新しい治療法として、BKPが適応されます。約5mmの傷2つから細い針を骨折した椎体に挿入し、Balloon=風船を膨らませた後、セメントを注入して骨折部を安定化します。ほぼ出血の無い低侵襲な手術であり、つぶれた骨を骨折前の形に近づけるため、術後即時の痛み軽減効果が得られることが特徴です。骨粗鬆症に伴う椎体骨折以外に、転移性脊椎腫瘍による椎体骨折も適応となります。
LLIF(Lateral Lumber Interbody Fusion):低侵襲側方進入椎体間固定術
腰背部痛・下肢痛しびれ、姿勢異常、立位保持困難や歩行障害、逆流性食道炎などの症状が、脊柱変形が原因となっている場合があります。変形が高度で症状が強く、日常生活に支障がある場合では、手術療法が有効となります。
脊柱変形に対する矯正固定手術の低侵襲手術として、側方から脊椎にアプローチするLLIFという術式があります。この手技では骨や靭帯を傷つけないため、出血量が少なく身体へのダメージを極力抑えながら、脊柱変形矯正を行うことが可能となります。
脊髄刺激療法(SCS: Spinal Cord Stimulation)
脊髄刺激療法は、脊髄に微弱な電気を流すことにより慢性の痛みを和らげる治療法です。痛みの信号は脊髄を通って脳に伝わりますが、脊髄刺激療法によって、痛みの信号が伝わりにくくすることで、痛みを緩和します。
脊椎手術しても症状がよくならなかった方や、腰部脊柱管狭窄症など神経が原因の痛み、血流障害による痛みなどに適応となります。通常の手術と比較して、全身麻酔ではなく局所麻酔でできること、体へのダメージが少ない点などがメリットとして挙げられます。
(保険適応手術)
実際の治療の流れ:
1)トライアル(お試し)による効果確認 と2)本手術 の2ステップです。
1)トライアル(試験刺激)
局所麻酔下でリードを神経近くに挿入し、試験刺激を行います。疼痛部位に刺激感を感じるかを患者さんと確認しながら、リードの位置を調整します。試験用刺激装置を使用し、試験刺激を約1週間行います。
疼痛改善の効果が認められ、今後も治療を継続したい場合、2)本手術となります。
2)本手術=本植込み
本手術局所麻酔下で腹部等に小さな刺激装置(ペースメーカーと似た構造)を植込む、低侵襲で出血がほとんど伴わない簡便な手術です。
最新型外科用イメージ装置
当院では、アメリカGE社の最新型外科用イメージ装置(OEC 9900 Elite)を使用して、手術を行っています。
これまでは患部を大きく開いて手術をしていましたが、この装置を使って患者さんの体内をX線で透視をしながら手術ができるので、患者さんの傷を最小限に抑えて手術をすることができるようになりました。しかも最新の画像処理技術によって、非常に鮮明な体内の画像を非常に少ないX線で得られるので、細かな手術や難しい手術にも対応できます。