再生医療(PRP療法)とは
PRP療法(Platelet-Rich Plasma療法)とは、ご自身の血液を利用した再生医療です。
血液から血小板を高濃度に抽出し、痛みや炎症の原因となっている部位へ注入することで、本来体が持つ治癒力を引き出す治療です。
血小板には
- 炎症を抑える
- 組織の修復を促す
といった働きをもつ成長因子が多く含まれています。
自己由来の成分を用いるため、薬剤による副作用やアレルギーのリスクが比較的低いことも特徴です。
脊椎疾患に対するPRP療法の位置づけ
腰痛や坐骨神経痛は以下のように様々な原因があります。
- 椎間板や椎間関節の変性
- 慢性的な炎症
- 加齢や負担の蓄積
PRP療法は、変形そのものを元に戻す治療ではありませんが、
「炎症が長引いて治りきらない状態」に対して、回復しやすい環境を整える治療として位置づけられます。
- 薬や注射、リハビリを続けているが改善しない
- すぐに手術を選択するほどではない
- 手術はできるだけ避けたい
このような方にとって、次の選択肢となり得る治療です。
対象となる主な脊椎疾患
当院では、脊椎専門医が診察・画像評価を行ったうえで、以下のようなケースでPRP療法を検討します
- 椎間板性腰痛
- 変形性腰椎症に伴う慢性腰痛
- 椎間関節由来の腰痛
- 腰部脊柱管狭窄症(軽度〜中等度)
- 手術後も残る慢性腰痛
※強い麻痺や高度な神経圧迫がある場合は、手術治療が適切となることもあります。
当院では、PRP療法を無理に勧めることはありません。
治療の流れ
- 脊椎専門医による診察・画像評価(MRIなど)
- 採血(ご自身の血液を使用)
- 専用工程でPRPを作製
- 痛みの原因部位へ正確に注入
- 当日ご帰宅(入院不要)
治療は日帰りで行え、身体への負担は最小限です。
安全性について
PRP療法は自己血液を用いる治療であり、重篤な副作用は比較的少ないとされています。
一方で、すべての方に同じ効果が得られるわけではなく、効果には個人差があります。
当院では以下を大切にしています。
- 適応を慎重に判断
- 効果が期待しにくい場合は正直に説明
高齢の方でも治療は可能です
PRP療法は以下の特性から高齢の方でも検討しやすい治療です。
- 全身麻酔を行わない
- 切開を伴わない
年齢だけで治療を諦める必要はありません。
当院でできること
世田谷人工関節・脊椎クリニックでは、
脊椎を専門とする整形外科医が、診断から治療まで一貫して担当します。
- 保存療法
- PRP療法などの再生医療
- 内視鏡手術・固定術
すべてを熟知した立場から、患者さんにとって最適な治療をご提案します。
まずはご相談ください
「この腰痛、手術しかないのだろうか」
「切らない治療で改善する可能性はあるのか」
そう感じたときは、ぜひ一度ご相談ください。
脊椎専門医として、治療の選択肢と限界を正直にお伝えします。
切らない脊椎治療を検討されている方へ。
安心して相談できる場所として、当院がお役に立てれば幸いです。
参考文献)
1.Tuakli-Wosornu YA, et al. Lumbar intradiscal platelet-rich plasma injections. PM&R, 2016.
2.Akeda K, et al. Platelet-rich plasma for degenerative disc disease. Spine, 2017.
3.Centeno CJ, et al. Regenerative medicine for lumbar spine pain. Pain Physician, 2020.