このページのポイント
- 症状改善を目的とした治療選択肢:脊椎手術は、痛みやしびれの原因となる神経の圧迫を取り除き、日常生活の質を改善することを目的とした治療です。
- すべての人に必要な治療ではない:まずは薬物療法やリハビリなどの保存療法を行い、それでも改善が難しい場合に手術が検討されます。
- 疾患や状態に応じた手術法を選択:脊柱管狭窄症や椎間板ヘルニアなど、病気や症状に合わせて最適な手術方法が選ばれます。
- 低侵襲手術の進歩:近年は身体への負担を抑えた低侵襲手術が進歩し、回復までの期間が短くなるケースも増えています。
- 納得したうえでの治療判断が重要:手術のメリット・デメリットを正しく理解し、医師と十分に相談したうえで治療を選ぶことが大切です。
脊椎手術とは
脊椎手術とは、首から背中、腰にかけての「脊椎」に起こる病気や異常に対して行われる手術のことです。脊椎は体を支える重要な骨であると同時に、その中を脊髄や神経が通っており、手足の動きや感覚、排尿・排便などにも深く関わっています。
脊椎に変形や障害が起こり、神経が圧迫されると、痛みやしびれ、歩行障害などさまざまな症状が現れます。脊椎手術は、こうした症状の原因を取り除き、神経への負担を軽減することを目的に行われます。
近年では、身体への負担を抑えた低侵襲手術や、顕微鏡・内視鏡を用いた精度の高い手術が進歩しており、以前よりも安全性や回復の早さが期待できる治療となっています。
どのような症状で脊椎手術が検討されるのか
脊椎の病気があっても、すべての方に手術が必要になるわけではありません。多くの場合、まずは薬物療法やリハビリ、注射などの保存療法が行われます。
それでも次のような症状が続く場合、脊椎手術が検討されることがあります。
- 強い痛みやしびれが長期間続いている
- 歩行が困難になり、日常生活に支障が出ている
- 手足に力が入りにくくなってきた
- 排尿・排便のコントロールが難しくなってきた
- 画像検査で神経の強い圧迫が確認されている
これらの症状は、神経の障害が進行しているサインであることもあり、放置すると回復が難しくなる場合があります。症状の程度や生活への影響を総合的に判断し、手術の必要性が検討されます。
脊椎手術が行われる主な疾患
脊椎手術が行われる代表的な疾患には、以下のようなものがあります。
これらの疾患は、加齢による変化だけでなく、姿勢や生活習慣、過去のけがなどが影響して起こることもあります。共通しているのは、神経が圧迫されることで症状が出現するという点です。
疾患ごとに症状や治療方針は異なるため、正確な診断が重要となります。
脊椎手術の主な種類と治療方法
脊椎手術にはいくつかの種類があり、疾患や症状に応じて選択されます。
代表的な手術方法には、以下のようなものがあります。
- 脊髄に微弱な電気を流し、慢性の痛みを和らげる治療法(SCS:脊髄低刺激療法)
- 神経の圧迫を取り除く手術(除圧術)
- 背骨を安定させる手術(固定術)
- 内視鏡を用いた低侵襲手術
SCS(脊髄低刺激療法)は、慢性的な痛みに対し、脊髄に微弱な電気を流すことにより、痛みを和らげる治療法です。
除圧術は、神経を圧迫している骨や靭帯を取り除くことで、症状の改善を目指します。
固定術は、ぐらつきのある背骨を金属などで固定し、安定させる手術です。
近年では、必要最小限の切開で行う手術も増えており、術後の痛みや回復期間を抑える工夫がされています。
脊椎手術を行うメリット・デメリット
脊椎手術の最大のメリットは、痛みやしびれの原因を和らげる、もしくは直接取り除ける可能性があることです。症状が改善することで、歩行や日常生活が楽になり、生活の質(QOL)の向上が期待できます。
一方で、手術である以上、以下のような点も理解しておく必要があります。
- 体への負担がある
- 入院やリハビリが必要になる
- 症状の改善には個人差がある
メリットとデメリットを十分に理解したうえで、医師とよく相談し、自分にとって最適な治療方法を選ぶことが大切です。
脊椎手術でよくある不安・疑問
脊椎手術を検討する際、多くの方が不安を感じます。
「本当に手術が必要なのか」
「手術後、元の生活に戻れるのか」
「後遺症は残らないのか」
こうした不安は決して珍しいものではありません。大切なのは、不安や疑問を一人で抱え込まず、医師にしっかりと相談することです。納得できる説明を受け、自分自身が理解・同意したうえで治療を選択することが、安心につながります。
まとめ|脊椎手術を正しく理解することが大切
脊椎手術は、痛みやしびれに悩む方にとって有効な治療選択肢の一つです。すべての人に必要な治療ではありませんが、適切なタイミングで行うことで、症状の改善や生活の質の向上が期待できます。
まずは脊椎手術について正しく理解し、自分の症状や生活に合った治療を選ぶことが大切です。気になる症状がある場合は、早めに専門医へ相談することをおすすめします。
